2010/07/13 18:48:00
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日経平均の見通し2010年7月13日(火)
二重課税訴訟で国に勝った主婦に喝采
 生命保険金を遺族が年金として受け取る場合、相続税と所得税の両方が課されることが二重課税に当たるかどうかを国と最高裁まで争った裁判があり、長崎市の主婦が勝訴しました。遺産相続の際に相続税を納めたにもかかわらず、保険金を一括で受け取ると相続税のみとなり、年金方式で分割して受け取ると、その都度所得税を課税するのは同じ財産に対して二重課税でおかしいと感じるのは常識的な反応でしょう。しかし、42年間も続けられた二重取り課税に対して、誰も訴えることなく税金を取られるままで、保険会社もおかしいと感じていても顧客が支払うだけで自分たちの利益にならないのか争うことはありませんでした。
 国税当局の課税処分について争うことはたいへんな労力と少なからぬ費用がかかるはずです。裁判だけでなく、地裁に訴える前に税金に対して不服審査請求をする必要があり、当事者である税務当局を最初に相手にするには忍耐が要ります。入口から不利で面倒な仕掛けが待っているだけでなく、高裁や最高裁まで争うには地方からの交通費だけでも結構な費用がかかるに違いありません。地裁では弁護士を雇えず1人で主張する主婦に対して、国側にずらりと専門家が並び、威圧的な裁判となったそうですが、くじけずに地裁段階で勝訴したことは素晴らしいの一言です。結局、最高裁では、「年金を受け取る権利と、実際に分割払いされる年金とは経済的に同一のもので、所得税を課すことは許されない」という常識的な判決を勝ち取ることになりました。
 この裁判で主婦の得た利益は実は数万円の還付金に過ぎません。しかし、42年間に二重課税された同様のケースは数百万件あるかもしれませんし、今後救済される方はひとりの勇気ある提訴に感謝すべきでしょう。年金保険だけではなく、社債などの期間が長い債券や定期預金など全てが相続の場合に二重課税しており、今後の救済対象は大幅に拡大する可能性があります。
 株式市場においても、法人税支払い後に配当がおこなわれ、配当に課税される仕組みが二重課税ですが、更に信用買いの場合の配当は源泉税の税引き後の配当に譲渡課税がかかる三重課税となっています。こうした誤りを是正する有力な判例となりました。ガソリン税に消費税を支払うような重複した仕組みを改めることが増税論議の前に必要でしょう。
 日経平均は米国株は上昇しましたが中国株の反落が大きく小幅続落となりました。中国の巨額のIPOや日本のメガバンクなどの大型増資が閑散相場の需給を更に圧迫しています。今後は時価発行増資のルールを変更し、増資前の株主に公募価格より更に安く公募を受ける権利を付与することを義務付けるようにするなど、直接金融の良さと株主の利益のどちらも有利な制度にする必要があります。今の制度では個人株主は減少し続けるしかないでしょう。
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