2010/11/05 20:18:59
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日経平均の見通し2010年11月5日(金)
将来性ある予算が必要
政府の追加経済対策としての補正予算案は約5兆円ですが、自民党時代と変わらない公共事業に約3兆円を使い、求人ニーズが無いところへ「雇用対策」を行う3000億円を投じ、既に急騰しているレアアースの備蓄費用などに3000億円使い、レアアース相場を更に暴騰させかねない政策など、目先のアリバイ工作のような予算ばかりで将来の展望につながるような内容がありません。補正予算案は野党の公共事業の要求を1兆円丸飲みした部分があり、野党の自民党案では「地域活性化交付金」という名のばら撒き公共事業を1.5兆円に増額した対案を作っている程で、恐らく、景気浮揚効果は一時的なもので、どちらの対策を採用して水泡に帰すでしょう。
また、補正予算の財源は債券金利が急低下して浮いた国債利払い費1.4兆円と税収が想定以上となる2.2兆円を使うというものです。余裕があれば国債償還に使うべきもので、「財源」と言うには疑問がある性質の予算です。そうであれば、いっそのこと、これらの財源は「無かったもの」として諦め、全く別の予算を組んでみてはどうでしょうか。例えば、「予算配分は新技術・新分野の開発と実現のみに限定する」というアイデアです。最近、日本の得意分野が中国や韓国、台湾勢の台頭でシェアを奪われ、じり貧の状況では円安に戻ったとしても不況を脱出できるかどうか分かりません。そこで、将来性ある分野や研究開発のみに政府予算を集中させ、世界をリードする体制を築くわけです。
最近の新技術では「水の中に光触媒などを組み込んだ化合物を入れて水素を取り出す」という人工光合成の技術開発に成功したというニュースがありました。この研究を実用化し、大型の施設で取り出した水素を使い、水素エンジンか燃料電池のモーターを搭載した車を動かすと排気ガスは水蒸気だけというクリーンな社会が出来ます。ちなみに、電力会社が「オール電化でエコ」を宣伝していますが、電力を石炭火力で作っている限り、エコとは程遠いものです。
あるいは、現在普及している風力発電や太陽光発電に積極投資する予算でも構わないのですが、出来れば更に先の研究に投資したいものです。例えば、まだ数十年かかるといわれる核融合の実用化は人工光合成を飛び越えて人工太陽を作るものですが、集中的に研究予算を付ければ開発が半分の期間で可能になるかもしれません。以前、原油が暴騰した時に燃料費が高い漁業や農家に税金で補てんする措置がありました。原油はいずれ値上がりするものであり、高騰したから目先のことで補てんするような政治を行っていては将来の展望は開けないでしょう。まして、米国の49兆円の追加の金融緩和で資源価格が上昇するリスクが一段と高まり、それを税金で補てんするような政策や景気対策の公共事業ばかり行っても後に消費税の引き上げ率を大きくするだけで不況を先送りする効果しかありません。日本のバブル崩壊後に繰り返した公共事業による景気浮揚策は全て失敗に終わっています。全く別の発想から予算を作り、構造改革に挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。
日経平均はFOMC後の世界的な株高にアジャストする形で大幅に上昇しました。しかし、米国の大手企業は既に空前の手元資金を抱えて資金を必要としない一方で、担保が無い中小企業などは資金を借りることが出来ず、景気浮揚効果はあまり期待しないほうが良さそうです。恐らく、金融緩和で投資マネーが新興国に一段と流れるようになり、資源高と新興国バブルを煽ることになりそうです。ポジションを落としていた投機筋が飛びついた印象があり、多少続いたとしても、「株高・ドル安」が顕著になった場合の日本株の反応は複雑なものとなりそうです。
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