2010/07/28 13:03:04
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日経平均の見通し2010年7月27日(火)
バブル経済の移転現象
 インド準備銀行が今月3日に続いて2回目の利上げを行いました。声明では『高水準のインフレが金融政策スタンスにおける主要懸念』とし、高水準のインフレを抑える目的の利上げとしています。インフレの原因は昨年来の記録的な少雨が食品価格を押し上げたことだけでなく、国内の企業活動が活発で、海外企業の投資拡大が続いていることが最大の要因でしょう。
 利上げどころかデフレに怯える日本や米国を尻目に7月は利上げラッシュとなりました。中旬にカナダやブラジルが利上げを行い、他にもタイ、マレーシア、韓国が利上げを行いました。停滞する日本経済とは逆に、金利を引き上げた各国はインフレ抑制の為に金融を引き締めるほど景気が良い状態になっています。オーストラリアは利上げがありませんでしたが、既に利上げを6回行い、もはや「出口戦略」どころの話ではありません。台湾も6月に利上げしています。次々と利上げを行う国がある一方で、日米欧の3極は利上げ出来ずに景気減速が見え始め、追加の緩和策を模索する有り様です。この差は一体どこから生じるのでしょうか?
 振り返ると、欧米で住宅バブルが2006年頃までに拡大し、それが弾けてリーマンショックに至り、各国は必死で金融政策と財政政策を総動員しました。ところが、日米欧の3極は財政出動が中途半端だったことや投資資金が新興国に再度向かった為に結果的にバブルを他の地域に移転させ、自国は浮上できないままとなった可能性があります。先進各国の回復は個別企業による経費節減を中心とした「ジョブレス・リカバリー」であり、マクロ経済を回復出来ない為に政策金利は最低水準を続けざるを得ません。一方、新興国はリーマンショック後の急激な経済の落ち込みを防ぐ為に大規模な経済対策を行い、それが他の国からの投資を呼び込むことに成功し、好循環となっています。
 しかし、既に中国で大都市圏の住宅バブル問題が深刻となり、政府が急ブレーキをかけざるを得ない事態になったり、ブラジルの一部地域では1年で5割も不動産が上昇した地区があります。韓国やシンガポール、インドなどでも一部の地域でバブル現象が見られます。結局、新興国や資源国の利上げラッシュは先進国のバブル崩壊がもたらした「バブルの移転現象」でもあるわけです。例えば、世界一の自動車消費国となった中国では自動車工場の新設と拡大計画が続き、設備投資ラッシュとなっていますが、1〜2年後にはかなりの過剰設備になることが確実です。先進各国が自国の投資を諦め、「有望市場」に投資を集中させた結果、既にバブルとその崩壊が見え始めています。先進各国は新興国投資ばかりに躍起にならず、自国経済の立て直しにもっと目を向けるべきでしょう。
日経平均は円高傾向やアジア株の伸び悩みで持ち合いとなりました。引け後は円安傾向でイブニング取引では上昇しています。ユーロと円とドルの間では、各国が財政健全化策へ進む限り、通貨は「弱さ比べ」にしかならず、経済の立て直しを優先し、歳入拡大を計る方向で一致する必要があるのではないでしょうか。
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